― IF・酒盛りの後で(回想)>>11 ―
[聲も聞こえないとばかりに震える唇は悪夢を訴え、
何も見えないとばかりに虚ろな瞳は雫を宿す。
あんなにも綺麗だった琥珀は、今や男の目にはガラス玉に見えて]
王子君はもう此処には居ないよ ……
[今日の王子は朝から頗る機嫌が良いと聞く。
きっと、今も誰ぞEsを嬲っているのだろう。
爪の剥がされた傷からは血が滲み、肉の色が良く伺える。
手を取り、小指の先を口へ含んでから第二関節までを口腔へ招き。
唾液を纏った舌で擽られる指は、どう疼くか、引き攣るか。]
綺麗にしないとね……
[寝台へレトの身体を沈め、剥がれかけの下衣へと指を伸ばす。
抵抗があれば優しく宥め、何もなければそのまま脱がすつもりで*]