……は。
大物登場、という訳か。
[距離を開けて見やった先。
そこにあるのは、今まで相手にしていた奇妙な翼蛇──酸與の姿。
ただし、大きさは今までの倍近く、ある]
……とはいえ、こちらに下がる理由はないんでな。
どうしても、先に行くというなら、相応、覚悟はしてもらう……!
[左肩に受けた一撃、決して浅いものではないが。
大太刀支えられぬほどではない。
何より、大物を出して来た──という事は、向こうもそれなりに後がない、という事だろう。
ならば、これを落とせば終わるはず──と。
遠く感じる陽気と火気の高まりに、そう、思い定めつつ。
火焔の気質持つ護り手は、覇気損なう事無く、大太刀を握り直す。*]