― 毒水の沢 ―[谷間を抜けた先は、緩く開けた空間。本来であれば、穏やかな水の流れ織りなす沢と思しき場所──しかし、そこにはあるべき様はない。在るのは、黒く染まった毒水と、噴き上げる瘴気。そして]……なるほどな。蛇の類が寄っていたのも、ある意味道理、か……![沢の中央にいるのは、巨大な蛇。ただしそれは、人の顔を備えた九頭を備えしもの]よもや、相柳が動いていようとは、な……!