[思わず振り返るが、彼女の他に人の姿は見当たらず、
――あるいは完全に火が消えた後に調べるならば、何かの痕跡も見つかるのかもしれないが……
今は、彼女の治療が先と、考えるのは後にする。
状況の異常さや疑問点は、今はまだ脳裏に過ることはないけれど、
ここで何かがあったのだということは確かだ。]
ここで、何が……?
[ストレッチャーの上に眠るナネッテに視線を落とす。
その傷の具合はいかほどだったか、頬の火傷がひどく痛々しく、ぐっと表情を歪める。>>0
スノウが現れたなら、先程の伝言に加え、>>4
ジークムントにもストレッチャーの運搬先である医療設備の場所を、伝えてもらうだろう。
その場に長くとどまる必要はない。
彼女と共に、第二エリアへと向かうだろう。
もし、駆け付けるものがあったとしたら、どこか通路で合流することもあったかもしれないし、
入れ違いになることも、あっただろうか。]*