メイン・サロンはどっちだったかな?
[ なんて、
方向音痴の振りの白々しい言葉を吐いたら
何となく…たまたま道を違えたような素振りで
まだ生暖かい温度すら鼻先に感じる――貨物室へ
近付いて、その中を覗き込んだら。
まだ彼女>>2の姿はそこにあっただろうか。
汚れるのも構わずに抱き起こそうとしたのだろうか
かっちりと着られた制服に血が、付いていて
ふらりとその肩に手を伸ばしそうになるけれど、 ]
…カレル?
[ 代わりに名前を呼んでから ]
これは人狼の、仕業――なのか
[ 尋ねてみる。
学者の肌に染み付いたアデルの血の匂いは
こと、この場においては部屋の中の匂いに負けて
隠れてしまっていただろう。
カレルが誰かを呼んだとは>>10まだ知ることもなく。* ]