― 第二艦隊/"前庭"南側海域 ―
[当初の予定通り主戦場に横撃を駆けるか、新たに参戦が予想される戦力に対応するべきか。
悩んだ末に出したのは、両方する、という結論だった。
巡洋艦5隻の火力を持ってウルケル艦隊の横腹を脅かしつつ、やってくるだろう勢力に即応できるよう動く。
下手を打てば挟撃されるのは承知の上だ。]
第五戦速に移行。
主砲砲戦用意。
[静かな声でほぼ最大速度での前進と戦闘準備を命じる。
マストと遠い砲火の炎、立ち昇る黒煙だけが見えていた戦場は、ほどなく大小さまざまな船が散らばる様子を視認できるようになった。]