[問いかけにはやはり拒絶が返ってきた。>>8
半ば予想していた事だ。
ドロシーは聖人ではない。
疑い迷う、優しくもない生き物だ。
そんな存在がどうして人を救えるというのだろう。
カスパルが亡霊と共に生きるならそれは彼の選択だ。
だから私も同じように、今世での道を選ぶ。
かつて似た考え方をしていた青年と思考を共有する事は
今は仮初めであってもできないだろう。
それに近づくための。あるいは遠く離れるための選択肢。]
さすがにそこまではしなかったけど、
もう薬が飲めないの。
[朝に口に入れた分>>1:4は直後に吐き出していた。
水で無理矢理飲み下す事もできなかった小瓶の中身が
今後減る事はないだろう。
薄らと笑みを浮かべたまま言えば、
驚きに彩られたカスパルの表情は変わっただろうか。>>10]