なん、………これ、だれ……
[衝撃的な光景に思考が乱れ、言葉が上手く出て来ない。
不思議と、悲鳴などの大声は出て来なかった。
よろめいて後退り、朝露に濡れる植え込みにぶつかる。
ひやりとした冷たい感覚があるはずなのに、感じることが出来なかった。
よろめいた場所の傍に咲く赤黒い薔薇。
どうやら、家主を染めるモノが白い薔薇にかかったらしい]
みんな、つたえ
[異常事態が起きた。
それは理解出来たから、まだ寝ているだろうとも伝えなければ、と足に力を入れる。
けれど、上手く足を動かすことが出来ず、歩くにはしばしの時間を要した]