ん?これは…時計?…弄ったことはないけど、歯車がかみ合ってないとか、魔力で動くものならどこかの回路が切れてるとかだと思う。ちゃんと診てみなきゃ詳しくはわからないけどね。職人の手製だとまた色々違うんだろうし。[差し出された古めかしい懐中時計をまじまじと見つめる。目立った外傷はなさそうだから、落とした弾みで壊れたとかではないだろう。ぱっと見ただけなら、経年劣化だと思われる。]……直してほしいの?[なんとなく。僕を見る目にそんな期待の色がにじんでいる気がして、静かに尋ねた。]