――訓練室――
[講義を終えた後に、訓練場へと顔を出す。
的より人を撃つことおほうが多かったここ数年であったが、緊迫した状況かた遠ざかれば腕が鈍っていくのは如実に感じる。
先客がいたので近くに立ち、銃を見ている振りをしつつ横目で観察した。
一撃。弾はきちんと的へ飛んでいく。
サシャ=マリア・コーエン。18歳狙撃手。>>8
まだ若い彼女は、それでも狙撃手として敵を撃っていた。
細く見える腕だが構えは良い。弾の軌道も申し分ない。]
殺すなら容赦なく殺せ。
でないと大切なものを失う。
[いいか、と一言断ってから彼女の構えの上から手をおき、僅かにその位置を修正する。
腕から見るに元々素質があるのだろうから、それ以上余計な手を入れるのは彼女の才を殺すだろうと、最小限の干渉に止めた。]