インチキのウインク?
[ぱちぱち、と目を瞬かせて。
一瞬だけその眉が大きく顰められたのを見た者は、
果たしてこの場にいただろうか。
すぐにそれは上品な笑みに掻き消されたのだが。
「ニセモノ」「ペテン」「インチキ」
……そういった言葉には、つい敏感になっている自分がいる。
とりあえず、あまり気分の良いメモではなかった]
困ったな。こんなものを渡されてしまったよ。
[アヴェから手渡されたメモを、ペラリとテーブルの上に置いた]
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ちなみに君はウインクはできるかい?
実は僕はできないんだ。両目瞑っちゃうんだよね。
これを僕は『インチキのウインク』と呼んでいるよ。
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