― 西五区 ―では、いずれまた、「銀月の奏者」殿...[ 背を向ける男を、奏者は引き止めはしなかったろう ]...もしも...[ しかし、自ら背を向けた男の足が、一度止まり、躊躇うように振り返る ]もしも、私を捜す者が居たら...それは私の......獲物、です。譲っていただけるとありがたい。[ 声音は静かだったが、隠しきれぬ想いが微かに瞳を揺らがせる。ソマリが如何なる答えを返そうとも、男はそれを受け入れ、自らの選ぶ道へと足を向けた** ]