[ 銀羊号のクルーとなり、管理部に配属されたのは5年前のこと。
決して暇では無く、多忙な部署ではあるが
幸い周囲の人間関係には恵まれ、遣り甲斐も含め
骨を埋めても良いと思った程度には好条件の部署ではあった。
2年前、上司の唐突な退職により人事異動が発生。ここまでは良くあることだが、その余波で何故か自分が異星への出向を言い渡されることに。
しかもこの異星、連絡線も全然無い辺鄙な小惑星。
故郷に帰れるのも年に一度や二度あれば良い程に。
「独り身だから良いだろう?」
「特別手当と寮は用意するから引き受けてくれるよな?」
上司から笑顔で強権発動されれば、入社数年の若造が断れる筈も無く。
思えばパワハラで訴えれば勝てるんじゃないかと思いながらも、
現在の小惑星での生活、約束通りの厚遇は決して悪くは無い。 ]