人狼物語−薔薇の下国

403 軍人の絆


陸軍諜報部教官 ソマリ

[頬を撫でる風に誘われるように顔を上げる。
青く澄み渡る空は祝いの席に相応しく思えた。

軍功を上げた軍師の屋敷。
かの庭園で歓談する大人達。
挨拶を済ませ手持ち無沙汰となった少年は、
両親のもとを離れ、見事な庭を散策していた。

ザ、と一際強い風が吹く。
色とりどりの花弁が空を舞う。

その向こう、紫苑の眸に映り込んだのは端整な顔立ちの子供。

これまで聞こえていたざわめきが消える。
時が止まったかのような感覚。

一目見て、心を奪われた。
運命なる瞬間があるとすれば、それは今なのだろう、と思う。]

(12) 2016/01/19(Tue) 02:36:19

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