―『シュヴェーアト』専用ドック―
[シュヴェーアトの専用ドッグに案内する金髪の女性は一昨年もいたような気がする。
よく中学生と間違われる小柄な体躯の少女は頬を僅かに上気させ、緑黄色の瞳を輝かせる。
彼女はこの先に展示されているものに胸をときめかせていた。]
うーん、今年は来られて良かったぁー!
[昨年は苦手分野のテストで赤点を取ってしまった所為で特別補習に放り込まれ、このイベントに参加する事が出来なかったのだ。
今年は平均点ぎりぎりでパスをしたのを、執念だな、と次兄が呟いたのには渾身の頭突きをお見舞いしておいた。]