―戦艦ヴィスマルク:機関部―
――……、少尉?
[ふらつく足取りで、その場に辿り着いて。
機械油の匂いに混じる、濃厚な――そして、嗅ぎ慣れてしまった血臭に、顔をしかめる]
どう、なったかは――……訊ねるまでもないようだな、少尉。
[見て取って、嘆息して――自分も同じように、腰を落とした。
――生き残りは、たったの二人。
動力の復旧は可能なのか、それとも救援を呼ぶために通信を復旧すべきなのか、或いは敵に渡さぬため自沈すべきなのか。
そういった、考えるべき諸々は。
どうしたって、ついに生き残ったという安堵の前には押し流されて――しばらくの間、そうして呆けていた――]