―――――…アリーセ!![立っている。首筋から流れる紅が視界に飛び込み、己の流す紅を上塗りして瞬間的に目の前が真っ赤に染まり。止まりそうな心臓が鷲掴みされるような痛みと。呼吸が止まりそうに喉が詰まり、叫ぶ声すらも掠れて。まるで時間が伸ばした飴のように間延びする感覚の中、紅く染まりながら立つアリーセへと手を伸ばし。白竜の上へと引き上げて腕の中に抱き込めば、感じる鼓動とその身体の温もりを感じて。遠のいていたざわめきが音量を上げ耳に飛び込んできた。]