人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


読書家 レト

 ― 酒宴の後、夢か現かしれぬ時 ―

 ぃや だ……

[肌を滑る指の感触。
拒絶しても、罵倒してもけして離れなかったのは誰の指だ?
「生娘でもあるまいし」
嘲笑いつつ燃える瞳を揺らめかせたのは誰だった?]

 おう、じ ……

[震えながら伸ばされた指は、小指だけが爪を剥がされ、薄桃の肉めいた質感をむき出しにしている。
レトの瞳に、光は未だ戻らない。
琥珀の瞳から、透明な雫をただ垂れ流すだけ]

(11) 2013/10/09(Wed) 23:16:26 (茄子)

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