ならず者 ディーター

［それから、ディーターはカタリナの中身が零れないように、彼女の服の裾を結んで、今度こそリーザと一緒に抱え上げた。──二人の繋いだ手が解けないように、細心の注意を払いながら。なんとなく、解いてしまってはいけないような気がして。］

……ずっと遠くまで行くんだろうな。

［ディーターは屋根から飛び下りてバルコニーに降りると、そのまま二人を一度談話室に連れて行こうとする。途中で、誰かに会って、別の場所へ誘導されるならそうするだろうけれど。］