[からかわれているんだろうか、と思いながらもオタオタしていたら。
ディークに、見覚えのある自警団員が声を掛けてきた。
先日、怪獣の着ぐるみやバニースーツなどを持ってきた自警団員。ディークの兄だと聞いていた]
………ど、どうも。
[また何か変な服を持ってきたんじゃなかろうか、と。ちょっとだけ警戒しながらも。
ディークにその自警団員が話しかけるのを見ていた。
自警団員からディークに投げかけられた言葉は、こちらにも聞こえていただろうか。
それとも、こっそりと耳打ちでもされていて聞こえなかっただろうか。
聞こえていたなら、自分の耳を疑うようにきょときょとと何度も瞬いて。
聞こえていなかったら、何の話だろうかとこてっと首をかしげていただろう]