― 平原 ―
[セルウィンが逝ったあと、アイツと一緒にいた兵たちが武器を構えた。
アイツに殉じるつもりなのか、意地を見せるつもりなのか、戦うつもりらしい。
帰って、セルウィンがどんなふうに戦って死んだのかみんなに伝えるのが役割じゃないのかと思ったけれど、アイツと一緒にいた兵だ。きっとアイツに似てるんだろう。
その戦いに加わる気もせずアイツの横に近寄った。
最期になにを考えていたのかなんてわからないけれど、死に顔は意外と安らかだった。
多分同じくらいの年の王国の将。
一人取り残されたオレへの攻撃を止めさせたのは何だったんだろう。
エールを送り合ったみたいな会話を思い出す。
こいつがゼファーに生まれていたら、なんだかんだつるんでたかもしれないな。
なんて、ちょっと思った。]