リア、おいで。[ファミルを抱えたまま図書館の扉を開け、床を歩く黒仔猫を呼んで通りへと出す。図書館の隣にあるファミルの自宅へと向かい、玄関を開けると甘い匂いが鼻へと届いた。匂いの元を辿れば、細い花弁を重ねた雪色の花が見える。それを目端に収めながら、奥へと進みファミルをベッドへと横たえた]…いつまで続くんだろうな。[いずれは自分もこうなってしまうのではないか。そんな考えが頭を過ぎる。「みゃー」と言う鳴き声が聞こえて、男はハッと思考を戻した]