[ 獣の嗅覚と聴覚で、
人の気配や足音を聞き分けながら
音も立てず自室に戻ったら
既に血の固まり始めている服を
ダストボックスに丸めて放り込み、
似た服を見繕って適当に着替えを済ませる。
その間に貨物室の中に
新たな誰かが踏み込んだ>>0ことは知らない。 ]
やれやれ、
やっと落ち着いたと思ったのに
あんな場所じゃ一息もつけやしない
[ 肩を竦めて黒い小箱を
新しい服の中に放り込めば
念のため扉のロックを確認してみる…が
矢張り、鍵はかからなかったので
部屋を出て扉を閉めてから、歩き出す。
…行き先は勿論、メイン・サロンの方角で。 ]