− 東沿岸 −[ 戦闘を終え、仲間に支えられて歩く者もいたが、兵らの表情は比較的明るかった。こちらも旗艦を焼かれたとはいえ、ゼファーの船を1隻、沈めているのは心理的に大きい。海でなら、ゼファーと渡り合える、そんな手応えを得たのかもしれない。しかし、相対的にゼファー軍の士気が落ちているとは考えづらかった。バルタも生きている。タフな将だ。自分のように船を乗り換えて、再度、挑んでくるだろうか。もしそうなら、] あまりの熱烈さに口説かれてみたくもなるというもの。[ 指先で顎を撫でる。]