[薔薇を凝視していた視界の端に、誰かの足が見えた。植え込みから覗くそれ。その地面は、赤黒い]ひっ──────[引き攣った声が上がる。見なければ良いのに、瞳はゆっくりと足の方へと向いて]ローゼ………さ…[薔薇を見るために夜に外へ出ていたのか、それとも呼び出されたのか、はたまた屋敷から放り投げられたのか。仔細は判別出来ないが、胴を赤く染めた家主が植え込みに埋まるような形で事切れていた]