[ガルー種の生物兵器転用計画。
それは何も紅華軍に限った話ではない>>0:228。
どこも隠しているだけで、一度ぐらいはそのような発想に至る物なのだろう。
アースガルドもその国の1つだった。
尤も、計画名は『ケルベロス』ではなく『フェンリル』ではあったが。
アースガルドは、植民地惑星であるギムレー星系最南の惑星『ムスペルヘイム』にて、奴隷を使っての極秘実験を行っていた。
“奴隷の脳にガルーを植え付ける” ただそれだけ。
この実験には大勢の奴隷が使われた。
一般市民であれば問題になるだろうが、奴隷であればいなくなっても気にしない。
勿論色々なデータを集めるために子どもも利用された。
“奴隷の子は奴隷” そういうことだ。
何度も何度も繰り返し、やっと何体か成功例ができ始めた頃、1つの事件が起こった。
成功した被験体の1匹が制御不能になり、暴走。
それ自体は研究チームもある程度予想していたこと。
しかし、その被験体との適合率が良かったのか、はたまた悪かったのか。
仲間であるはずの他の被験体を食い殺すという、予期せぬ事態が起こったのだ。
それにより、成功例たちは皆殺しにされ、サンプルも破壊された。
研究所も壊滅状態、殺処分するために応援を寄越したが、到着するまでに方は付き、被験体はそのまま逃亡。
この研究所は閉鎖されることとなったのが顛末。]