ーー翌日ーー
[向こうから女性が歩いてくる。>>5
豊かな金髪を緩くまとめた、ほっそりとした姿。
淑やかな立ち居振る舞いが場を華やかにするね、と
既に下士官の間で結構な騒ぎになっている。
ドロシー=ディレイ中尉。]
『ご苦労さま』
[敬礼し、脇に避ければ、そんな言葉をかけられたかもしれない。
すれ違い様、中尉は振り返った]
『…どこかで、お会いしたことはないかしら?』
…いえ。申し訳ございません。
自分には思い当たる記憶がありません。
[中尉は以前いたらしい職場の名前を口にする。やはり記憶はないので首を横に振る]
『そう…』
(あなたみたいな可愛い人、会っていたら忘れませんよ)
[そのことがきっかけなのかはわからないが、顔を合わせれば挨拶と2,3言葉をかわすようになった。
それを見た下士官連中に、やっかみ半分でいじられまくったのはまた別の話]