― 西五区 ―
[ 口にしてしまってから、詮無きことを聞いたかと、視線を落としかけた男は、返った言葉に>>9数度瞬く ]
そう、では、あなたにも理由があるのですね。
[ 異形種を受け入れ、融合者となった理由...ただ気侭に日々を奏でているようにも見えるこの男にも、と ]
いや、そうですね。そうでなければ...
[ 意も無く、己の在り様を貫く理由も無いなら、異形種に憑かれた段階で、自我を失うのが当然だったと、改めて得心して ]
ええ、私も『舞踏場』へ向かいます。......ですが、道は別れた方がいいでしょう。
[ 続いた言葉には、一度頷いてから、躊躇うように、視線を一度「外」に向けた ]
あちらも一人二人、では、来ていません。必ず手分けをして潜入を試みる筈です。
固まって動くのは、彼らに楽をさせるだけです。