― 7年前 ―
ヴィア。
これ、やるわ。
[幼馴染の誕生日、ようやく完成した腕輪をオクタヴィアへと渡す。
腕輪は星空をイメージした装飾が施されており、その中には羅針盤が描かれていた。
羅針盤の針は青味がかった緑色をした宝石で出来ていた]
これな、ただの腕輪じゃないんだぜ。
見てろよ。
[そう言って同じ造詣の腕輪をもう一つ、自分の左腕に嵌めて口端を持ち上げた]
”Neben”
[短い呪文を唱えると、互いの腕輪の羅針盤がくるりと回転し、針である宝石が淡く光って腕輪同士を指し示す。
数秒それを維持した後、淡い光はすぅっと消えていった]