[数分の間、たっぷりと恨み言を重ねると、少しは気が収まってきたか。窓際へ向かうと遠くの山々へと視線を投げる。山は毎年と変わらず、その頂を白く染め上げていた。]いつになったら、俺は中央へと戻れるのか。もう3年だぞ。[心にあるのは、町へ置いてきた二人の子供のこと。妻に愛はない。地位のための政略結婚だったからだ。見た目もおぞましい傲慢で気の強い将軍の血を引く、見た目は良いが傲慢で気の強い娘だった。だが、二人の子供のことは片時も忘れずに愛している。あの二人のためにも早く――]