人狼物語−薔薇の下国

178 薄暮の海―CLASSIFIED MISSION―


電測士 リエヴル

――……、自分は。

[跪いて、老人はとつとつと喋り始めた]

……あれから、電探の開発と配備に努めました。
事前に敵の規模が判れば、無駄な戦闘は起きないだろうってね……。

……まあ、甘い考えでしたね。
今じゃあ、ええ。水平線の彼方まで、誘導弾で攻撃するんだそうですよ。
この"びすまるく"も、あなたと私が乗り組んでた頃とは大違いだ。
ええ、そうなんです……はは、信じられますか。
この一万トンもない、精々がとこ軽巡くらいのフネが、ヴィスマルクだそうでね。

[水平線の彼方へ、寂しそうに眩しそうに視線をやって]

……あなただったら、なんというかな。
はは、いかんなぁ……五十年前なら、直ぐに言葉が浮かんできたのに。

[老人は、瞼を静かに閉じる。追憶が辿るのは、かつての――]

(10) 2014/05/05(Mon) 02:55:01 (migya)

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