― 誰かの墓前 ―
[こんなところに誰が埋葬されているんだろう?と思えるほど分かりにくい場所で、倒れているオットーを発見した>>9。
自らの胸を爪で割いたオットーの傍らには手紙が落ちている。]
そうか、オットーは自らの手で決着をつけたのか。
[ため息混じりに呟いた。
ひょっとしたらオットーが死を選んだ理由の一端が、傍らに落ちている手紙に書いてあるかもとは思ったが、開く気にはなれなかった。――ただしヤコブかリゼットが見たいと言えば、自分は内容を知らないよう背中を向けるものの、反対することはない。
最後にオットーの目が開いているなら閉じさせて、両手を胸の前で組ませたあと、そこに手紙を挟む。]