― 教会・祭壇 ―
[温かい光が降り注ぐ中、獣を抱くシモンのそばに新しい人影が現れた>>4。
戸惑い、状況を理解しようとしているその姿を、ディーターの右腕にしがみつき、見つめる。
獣を抱くシモンにぽつりと声を掛け、彼は顔を上げる。
ジムゾンの姿がそこにあった。
こちらに気付くと、一瞬固まり、くるくると表情を変え、目を逸らし、もう一度こちらを見ると、いつも家を訪ねてきた時のように、片手を挙げて、挨拶。
隣のディーターが、聖書の一節を口にする。
ジムゾンに声を掛けながら動き出したディーターと共に、ふわり、ふわりとジムゾンの傍へ寄り、ジムゾンの手を両手で包む。]
――もう、苦しくない?
[ジムゾンの手を両手でギュッと握りしめる]