[見てから舵を切ったところで避けられるようなものではなかった。《シャドウ・パレス》に、燃え盛る岩が立て続けに命中する。悲鳴にも似た、船体の軋み。艦に向け、魔獣を急降下させた。立ちふさがる天使を袈裟懸けに斬り払えば、マレンマへの視線が通った。>>8] リヴィエル![彼を、マレンマとは呼びたくはない。コンラートが愛しげに、切なげに呼ぶ響きでは。]