「はい。先生にもプレゼント」 『森で見つけたのよ』 「すっごく珍しいと思わない?」 『ワタシたちにちょっと似てるでしょ』[記憶の中から声が聞こえたような気がしたが、もう忘れた。手繰り終えた指先で団栗に触れれば、その肌に文字《ルーン》が浮き上がる。暫くそれに目を落としてから、団栗を掌でゆっくりと撫でた。]