― 王宮へ戻れば其処には何があったのか ―
[血の気の引いた、必死な面持ちで王都へ戻り休む事無く走り続け、やっと王宮の正門に辿り着いたら事は如何なっているのか?
息を切らして、痛む足に鞭打ち走り続け、正門に辿り着けば、如何やら事の収束はついているか。]
――っ、はっ、状況は、如何なってる!?
[息を切らし酸素が足りない脳では、言葉が足りなかった。
此方が聞きたかったのは、正門の騒動ではない。弟の安否だ。
荒くなってる吐息を、上下に動く肩を整えるよりも前に声を上げ命を下す。]
城内の警備は如何なってる!?
この騒動で何者かが侵入してるかも知れない。
急ぎ城内に警備を配置し安全を確保しろ!
[事の後処理をしだしている兵達は一瞬動揺の色を見せるが、己を知っている上官達は此方の存在に気付き、急ぎ部下に命じて城内の警備に当たらせる。
一先ず立場とか責任は後回しだ、咄嗟に警備の命を下し弟の命を確保する事に専念する。
この大騒動の責任を取られる事は如何しても避けられない事であり、急に警備を固めろと言うのか疑念を浮かべられそうではあるが。
もしそう取られても、事の収束を確認した今騒ぎに乗じて不審者が入られる可能性を判断した上での事、と取り繕える。
どちらにしても、今は弟の生命を守る事が最優先**]