[周囲に矢が突き立つ中を《猿》は突撃する。
矢を躱し、腕に付けた小さな盾で打ち払うも、運悪く射落とされる者もいる。
馬が射倒されたラエドは運が良ければ自力で逃げるだろうけれど、胸に矢を受けていたイサクは多分無理だな。
そんなことを頭の隅で考えながら、距離を詰めた。
2射目を構える弓兵の向こう、周囲に指示を出している将らしき人物を見る。>>173]
いっけーー!
[号令というよりはけしかける言葉で、馬上から次々と投げ槍が放たれる。
多くは弓兵の上に落ちるが、名手が投げた1、2本は弓兵の上をはるかに超え、将へ向かって飛んだ。]