[落ちていくさまは人形のようで、翼も動かない様子に舌打ちひとつ鳴らす。] ヴォルフ![声を上げれば──おそらくは上げるより先に、ヴォルフが動いていただろう。手を伸ばすのを諦めるなどしない性分は、あいつの方がよくわかっている。任せておけば良いようにするだろう、と信頼を投げて、自分の傷の手当を優先することにした。脇腹の傷が凍っているうちに手当をしなければ、そこそこ厄介なことになりそうだ。]*