[───と、カークと話していた公子が近づいて、目礼する。治療について指摘されれば、ゆるく目を見開いてから笑み浮かべた。気づかれていたのが驚きだし、目を配っているのを知れば嬉しい。] 御意。 ───殿下。それはあなたも、です。 もっとも、ローランドが見逃さないでしょうが。[胸の傷の血止めだけで済まそうとしている公子に、念押しか覚悟を促すニュアンスで言った。]