……!!
[黒い毛並み、手放しに犬とは呼べない大きさの四つ足。
息を呑み視線が固定される。
まさか、いや、そんな訳が無い。
こんなところで、有り得ない。
あの男のペットだろう。
「眷属」になり得る生き物というだけだ。アレとは違う、オレはアレを見ているじゃないか。
分かっていて尚酒の手が止まるのは、経験、そして、種としての本能。
それと、注ぎ込み続けたアルコールとほんの少し苦い記憶のせいか。
歌声と呼ぶには破壊的
セイレーンの聲と例えるには雄々しすぎる。
響き渡るそれ>>2:49 >>2:50には顔をしかめ耳を塞ぐ仕草をしていたが。
その最中も黒い獣と主の姿は視界の端には留めていた。**]