人狼物語−薔薇の下国

471 overlap memory/重なる絆(続)


尉官 カスパル

[ポケットの中に入れているピルケースに触れる。
カスパルが感染者と診断されたのは何年も前で、その頃には記憶の意味も――かつての己が狼化病の発症者であろうと推理していたから、どうして運命は繰り返すのかと絶望を味わっただけだった。

なぜ、己だけだと思っていたのだろう。
カスパルの目が見開かれ、ドロシーの言葉の意味を僅かに違えて理解する。]

 ……狼になってから悔いても、戻れない。
 発症しようなどと、馬鹿な事、は――。

[それを彼女は望むのだろうか。
苦しみ葛藤しながらも、血肉を喰らう快楽を、欲するのだろうか。]

(10) 2017/02/11(Sat) 02:15:18

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