[青年はため息をひとつ吐くと、決断した。そうと決まれば行動である。ここ半月ほどを過ごした森外れ、滅多に人もこないようなクッソ田舎の古い掘立小屋から私物を集める。
とはいっても旅ばかりしている身なので、それもごく僅かなものだ。雨さえ止めば、すぐに行動できる]
和平交渉かぁ……人が集まるなら、どさくさに紛れてちょっとあっちの国に入れる……?
物資も集まってるかもだし。そこで買えたらラッキーかなぁ……お金、あんまりないけど。どうしよ。
[なんか適当に怪我人でもいれば、金になるかもしれないが。その際怪我が酷いほど貰える金額も良くなるかもしれないが、同時に彼の身も危険になる。とにかく目立たず、権力者には近寄らず、目的を果たしたらさっさと逃げる。これに限る。