[だが、捜索の末に見つかったものは、獣に荒らされた姉の遺体だけ。伯父たちに関しては手掛かりすら見つけられず、遭難したものと結論付けられた。何処にも行き場がなく、憔悴しきった痩せっぽちの少女に村人は同情もあったのだろう。このままリゼットを村で受け入れると言ってくれた。だから、リゼットは懸命に働く。決して豊かとは言いきれない山奥の孤村で身寄りのない少女を養う理由など、それくらいしかないと知っていたから。役に立てることを示さなければ”また、棄てられてしまう”と知っていたから]