― ユーリエの私室>>8 ―
[鴉の後に付いて行きながら、回廊が動いているような感覚を覚えた。
鴉が導いているのか、館が招いているのか混乱しそうになった時、館の最深部に到着した。
重厚な扉は、その中へと誘うようにニコラスが触れる前に開いた。
「ようこそ。
優勝者さん?」
微笑みを湛えたユーリエを前に、しばし固まってから、ゆっくりと帽子を取り、口を開いた。]
当主様、この度は素敵なパーティにお招きいただき、
優勝という名誉まで頂戴しまして大変うれしく思っております。
私の願いは
一生飽きずに
夢中になれるものを手に入れることです。
叶えていただけるのでしょうか?