―4日目・AM10:00・第五訓練場―
[サバイバル講習の補講を頼まれて首を傾げたのだが、理由を言われて納得した。体調不良での途中離脱ということなら補う機会はあって然るべきだろう。
そう思って呼び出したのは過日に講義を行った訓練場。中央広場の切り株に腰掛けて懐中時計を開けば、針は丁度指定の時刻を示した。]
さて、何分“遅刻”してくるかね?
[──尚、訓練場までの道程には非殺傷性トラップをごまんと仕掛けておいた。補講を受けることを希望した有望な新入生への特別課題である。静かに唇の端を吊り上げて、彼の到来を待った]