― 『世界軸』中層・儀式の間 ―
[下層へ向かう者たちを送り出した後、神子は儀式の間へと姿を見せた。
浮かぶ疲労は色濃いが、瞳にあるのは強い意志。
手にした杖で身を支えている態ではあるものの、中枢として立つ姿に揺らぎはない]
……それでは、きみたちにはこれより、上層の『虚無』の討伐をお願いする。
[休息を取った『柱』たちに向け、紡ぐ言葉は静かなもの]
『虚無』の討伐とは即ち、百年の間にたまった澱みを祓うという事。
それを行う事で、世界は新たなる刻の螺旋を積み上げて行く事が叶うんだ。
上層から来る『虚無』は、
それへの護りとして、マリアを戦いの場の近くに控えさせておく。
あの子は、命の輝石が転じたもの。
きみたちのその、強き命の輝きを高め、支えてくれるはずだ。
[静かな口調でここまで告げて。それから、神子はふ、と笑みを浮かべる]