[窓辺へと移動して、茜色に染まる空を仰いだ。早朝の冷たい風に吹かれて、昨日までの暖かく優しい空気は、どこか遠くへ運ばれてしまったようだった。]――泣き出したくなるくらいに綺麗な空ねぇ。…どうか、よろしくね。[風に耳をすませても、もう何も聞こえない。鈍く痛む胸を押さえて、バルコニーに胡蝶蘭の花を飾った**]