[名乗れ、と通る声>>4が届く。短く息を吐き、大きく吸い込んでから声を張った]──── カレル。貴方方が領有を主張する、トルーンの民だ。[彼は自分のこと《かこ》覚えている。本来ならば、カレルのような田舎町の人間がゼファーの指揮官の名など知るはずがない。それなのに、驚きはしない、と言った。泰然とした態度を示すものだったかもしれないが、カレルにはそう思えたのだ]