― 少し前 ―
[ >>0ローランドに、同行していいのかと問われた伝令は、公子の決めたことだから、判らないと答えた。
そしてその問いは、伝令によって公子本人へと伝えられる ]
...何故テンガの民ではないのに選ばれたのか不思議だそうだな。
[ やがてやってきたローランドに、公子は笑み含んでそう話しかける ]
この地は確かにテンガにとって大事な要害だが、周辺国にとってもそれは変わらん。余所者だから関係ないとは言えない道理だ。
それにな、俺は、お前と話して、信用出来ると見た。
俺にとって、それ以上、確かな判断基準はないのでな。
[ だから選んだのだ、と、公子は昂然と笑った* ]