[弟に面会出来たのは数日経ってからの話だ。
産褥が残る母とも中々会えない寂しさを抱きながらも、母と胸に抱かれている小さな小さな弟を見る事が出来たなら、寂しさなんて裸足で逃げ出し、二人に駆け寄り腕の中で眠る弟を覗き込んだ。]
あかちゃんだ……おとうと?いもうと?
『赤ちゃんは弟よフェリクス。
もうお兄さんになったのだから、しっかり守ってあげなさい。』
うん! ぼくおにいさんだからがんばる!
[この時から「弟を守らねば」という」意識が生まれ、まったく邪気の無い笑顔を母に向け。
その様子を見た両親は真に嬉しそうな笑顔を向け、父の大きなては力強く此方の頭を撫でてくれたのが何よりも嬉しいものだ。
その頃は大人の意向など知らず、純粋な喜びを感じていた幸せな一時である*]